星の撮り方


星を撮るとき、カメラは星々の微光を集めるための単なる箱になります。シャッターを開けっ放しにすれば目で見えるよりもたくさんの星の光が集まるし、短い時間で閉じてしまえば肉眼で見えるだけの光に抑えることもできます。そのどちらかに寄せればいいのか。これはカメラマンにとって、星空を撮る際の課題です。しかし最近、大自然で星空を撮っていてよく思うことがあります。肉眼では見えない世界を感じてもらうことも写真の役割なのではないだろうかと。ないものは決して写真には写らない。しかし、あるものだからこそ写り込んでしまう。それでいいんじゃないかなと思うのです。


写真の設定はシャッタースピード20秒、f/1.4、ISO2000、WB3200(α7RMⅡとシグマ20mm F1.4 DG HSM Art)で撮影しました。では具体的にどうやって星空を撮っているのか。星空撮影のレシピを7つの行程から作ってみました。


*はじめにカメラボディをマニュアル設定に、レンズをマニュアルフォーカスにすること。

①カメラを三脚に固定する。

②レンズのF値を最大開放にする。

③ホワイトバランスを設定する。

④秒数をセットする。

⑤ISO感度を設定する。

⑥星にピントを合わせる。

⑦シャッターを押す。


それでは、七つのポイントをしっかり説明していきましょう。


①三脚に固定する

三脚が風で揺れ動く可能性があるので、カメラの重量に合った三脚を使う。

三脚が大きい分には大丈夫ですが、持ち運びが大変なので丁度良いものを。

*参考としてオススメ三脚です。

http://www.velbon.com/jp/catalog/ultrek/ut53.html


②レンズのF値を最大開放にする。

レンズは光を通過させるための筒です。筒の中には「絞り」という装置があります。

レンズにはF2.0というように数値が刻印されています。Fの横にある数値がそのレンズの最大開放F値になります。

星空撮影では、絞りを最大開放にします。開放にすることによって、より『短時間にたくさんの光がレンズを通過』することになります。星の光は非常に弱いため、「星空を撮るときはF値を開放に」と言われる理由はここにあります。


③秒数をセットする。

星は常に動いているので、長い秒数を設定すると少し横にズレたような感じで、光が軌跡となって写ります。

星の光をしっかり「点」として固定するには、レンズの焦点距離に合った秒数で撮る必要があります。

指標としては、

16mm=25~30秒

24mm=10~15秒

35mm=5~8秒

になります。

望遠レンズになればなるほど短い秒数で星が流れてしまいます。

持っているレンズが16mmの場合、30秒が点として写すためのギリギリの時間です。

それ以上の秒数になると星がブレてしまい、それ以下だと星が暗くなります。


④ISO感度を設定する。

ISO感度は標準の100が最も良い画質と考えてください。

200にすれば、シャッター速度が倍で撮れるようになります。1000にすれば、10倍で撮れます。ただし、感度を高くすればするほど、画質がザラザラと荒くなっていきます(カメラボディの性能による)。クオリティを保てる範囲内のISO感度を自分で把握しておく必要があります。たとえば、僕の場合はなるべくISO1600で撮りたいですが、3200やギリギリ6400で撮ることもあります。場所や天候によって、地上から見える星の状況が変わるので、1600から3200まで使い分けたりしています。


⑤ホワイトバランスを設定する。

ホワイトバランスは被写体の色を暖かくしたり冷たくしたりする機能です。

5000K(ケルビン)で晴天時に肉眼で見える普通の色合いと考えてください。

この数値を8000Kにすると夕方のように暖かい色になり、2000Kにすると冷たい色になります。普通、星空を撮ると空が赤っぽく写ることが多いです。そのため、僕は2800から3200Kに設定しています。そうすると、空の赤味が消えて、透き通った青い感じに写ってくれます。宇宙空間っぽくなる感覚です。

*彩度を下げると空の青の鮮やかさが消えるので、夜空に近くなります。


⑥星にピントを合わせる。

三脚にカメラを固定し、F値を開放にしてから、だいたいの構図を決めます。

そして、プレビュー画面をライブビューモードに切り替え、星の光を拡大してピントを合わせます(大抵のデジカメにある機能です)。ピント合わせの時に、星の光がぼわーっと大きくなったり、小さくなったりします。一番小さくなった時がピントが合焦した瞬間です。

ピントが合焦したら、あまりレンズは触らないようにしてください。


⑦シャッターを押す。

三脚に固定していても、指で直にシャッターを押すと、カメラがわずかに動いて、写真もぶれてしまいます。遠隔でシャッターを押すためのシャッターレリーズというコードがありますが、これは直にシャッターを押すときに振動をなくすためのものです。しかし、セルフタイマー機能を使って「2秒後」や「10秒後」にシャッターが切れるようにすれば必要ありません。

その他の注意点

*手ぶれ補正は切る。三脚に固定されているので、手ぶれ補正が作動するとブレた写真になります。

*撮影中は地面から振動が伝わるので動かない。



●結論

持っているレンズとF値の明るさで秒数が決まるので、許容できるISO感度を把握すること。マニュアルでのピント合わせ、ホワイトバランスをセットして撮る。星の見えやすい新月かどうか、街の明るさはどうか。それによって、設定後はISO感度のみを調節する。

空に満月があると星の光が消え、長時間露光で撮ると昼間のような写真になります。できるだけ新月の前後が天の川が写りやすいです。しかし、新月では大地が真っ黒になります。三日月から半月の中間で、ほどよく大地を照らす光があり、月の反対側に天の川があるタイミングを狙うと「天の川と大地」が写ります。

Star Walkアプリを利用して、どの方角から天の川が現れて沈んでいくのか把握することも大切です。地図で山の位置と方角を見れば、だいたい予想ができます。

以下、ダウンロードをおすすめします。

https://itunes.apple.com/jp/app/star-walk-5tsu-xingno-tian/id295430577?mt=8

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 © 2023 by Yosuke Kashiwakura

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