構図の正解

素晴らしい構図や作風で写真を撮るためにはどうすれば良いのでしょうか。素晴らしいと感じるのは人それぞれの感性によって違います。と言ってしまうと一言で終わってしまうので、あえてもう少し長い言葉にしてみましょう。

よく見かける傾向としては、構図や作風を真面目に学び過ぎて、自由であるべきスタイルが凝り固まっている方々が想像以上に多いということ。横一列に展示してみれば全体的に酷似しているグループ展などは、「よりダイナミックな構図」「より圧倒的な大自然」というテーマを競い合った結果によるもの。他者と切磋琢磨することで自分の壁を突破するためには必要だという見方もできます。

しかし、人にはそれぞれの「目線」「視点」「視座」というものがあります。感情に正解がないように構図にも正解はありません。大切なのは被写体に反応した自分自身の心をおろそかにせず、どうして被写体に反応したのか、どこに惹かれたのかを素直に写し撮ること。そこでようやくスタート地点に立ち戻ることができ、決まりきった構図や作風から解放されるのです。

参考として挙げた写真について、撮影者の正直な感想としては「違和感のない世界を撮りたかった」です。ファインダーを通した世界を眺めて、正解を求めるのではなく、違和感に気づく。その違和感の理由はレンズなのか立ち位置なのか、両方なのか。考える時間があれば、できるだけ四苦八苦しましょう。慣れてくれば、違和感ないレンズで、違和感のない位置をだんだん見つけられるようになります。構図のヒントは違和感に気づいていく経験の中にこそあるのです。



22回の閲覧
  • Facebook
  • Instagram

写真家 | 柏倉陽介公式サイト

© 2023 by Yosuke Kashiwakura