肉眼では見えない世界

最終更新: 2019年7月31日

星を撮るとき、カメラは星々の微光を集めるための単なる箱になる。シャッターを長く開けっ放しにすれば目で見えるよりもたくさんの星の光が集まるし、短い時間で閉じてしまえば肉眼で見えるだけの光に抑えることもできる。そのどちらかに寄せればいいのか。これはカメラマンにとって、星空を撮る際の課題かもしれない。しかし最近、大自然で星空を撮っていてよく思うことがある。肉眼では見えない世界を感じてもらうことも写真の役割なのではないだろうかと。ないものは決して写真には写らない。しかし、あるものだからこそ写り込んでしまう。思いを巡らせてみれば、光り輝く無数の星々の間にある暗闇の中にも、さらに無数の惑星があり、本来ならば星が空を埋め尽くしているはずに違いないのだ。その中にはきっと文明を持つ星もあるだろうし、いつかお互いの存在を知ることもあるのかもしれない。それを夢想するとき、人の孤独が少しだけ和らぐ気がする。



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 © 2023 by Yosuke Kashiwakura

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