背景に気づく

被写体にカメラを向けてピントを合わせることに集中すると当然周りが見えなくなります。実は「背景に気づく。背景を探す」ことは被写体を見つけることと同じくらい重要です。その重要性に気づいていれば、写真の作品性が高まり、何も撮れないということが少なくなるでしょう。

写真を撮る際、天気が晴れの日ばかりを選んでしまいがちです。曇ってしまったら撮る気がなくなってしまう。それが普通です。しかし、私の場合は曇りの日にこそ夢中で撮影してしまうことがあります。太陽の光が分厚い雲を通過して柔らかくなり、被写体を包み込んでくれるからです。まるで太陽と大地の間にデュフューザー(光を拡散させる道具)があるようなもの。被写体に強い影を生む日差しの中では決して撮れない淡く美しいトーンが写し込まれるのです。加えて、曇り空は明るく撮ることで真っ白な背景に変わります。柔らかいトーンの白を背景に被写体を撮ることができるのです。逆に、被写体の後ろに日陰を探せば背景は黒になります。日陰の中に1カ所だけ光が差し込んでいる場合でも同じです。明暗が強烈なほど、被写体の背景は黒く塗りつぶされ、被写体は浮き上がるように写ります。 その光に気付けるようになると写真は一層楽しくなるはずです。

世界は目に見えていることがすべてではありません。被写体の背景に気づき、明暗を自分でコントロールできるようになると写真はガラリと変わります。コツは白飛びや黒潰れを恐れないこと。失敗写真を恐れず、被写体の存在をどうすれば撮れるのかを中心に考えましょう。慣れてくれば、被写体と背景を同時に捉えられるようになりますし、明暗をコントロールした結果を頭の中で描けるようにもなるでしょう。



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